東京湾あさり

郷愁×ロマン×釣理

シロギス釣り再構築

自分もそうだったのですが、根本のところで間違ったイメージを持っている人が多い釣りだと感じています。遠回りになってしまうかも知れませんが、シロギス釣りのイメージから釣り方について解説していきます。

 

【シロギス釣りのイメージについて】

多くの人にとってシロギス釣りのイメージは以下のようなものだと考えられます。

■手軽である■アタリが多くあり初心者にも薦められる

■置き竿にしておいてもプルッとアタリが出る

 

上述のイメージは事実であるものの不十分であり以下のイメージを加える必要があります。

■アタリを多く出せること ■掛けアタリがあること(掛けづらいアタリがある)

■一日の中でエサの喰い方が頻繁にかわること

これらのイメージから得られるシロギスの特性は「好奇心旺盛な魚である」ということ。この特性があるからこそ釣趣溢れるゲームフィッシュたりえています。またプラスして魚影が他の魚より濃くアタリが多いことがある。アタリ=情報なので情報量が十分な前提で釣りを組み立てることが出来る。ここが個人的にシロギス釣りの最高の魅力だと思っています。

 

【釣り方について】

基本的な考え方として手段は2つ。

①    『シロギスの食性に訴える』

エサの部位でアタリが出たり出なかったりするのは事実。喰いに合わせて持ちが良い頭の部分と喰いの良い尻尾の部分を使い分ける。

②    『動かしてシロギスの興味を引きリアクションバイトを誘う』

誘い方については後述。

 

お分かりだと思いますが両者を組み合わせます。

竿頭と一般的な釣果の人に強烈に差が出てしまうのがリアクションバイトメインの日です。喰わない→仕掛けを止めるという流れは他の釣り(エサ釣り)をしていると正解だと思ってしまいがちですが、シロギスという魚には通用しません。喰わない→更に動かすというのが正解であることが多いです。船中、アタリがパタッっと止まったのに特定の人だけが釣っている状態はほぼこの状況です。

リアクションバイトを誘う釣りをするための前提として「仕掛けが短め」であることは絶対です。私の場合60センチハリスを標準としています。船宿が投げ釣り用の仕掛けじゃダメですよと言っているのは、ハリスの太さの問題ではなく、ハリスが長いからエサが動きませんよという意味です。

 

【誘いのパターン】

底を釣る為、誘いの種類は限られてくる。

 

・止め(張り気味にするか、抜き気味にするか)

・ズル引き(オモリをつけたまま引きずる)

・リフトアンドフォール(長めのストロークor小さく底を小突く)

 

この3つを組み合わせます。船の真下だと誘いのバリエーションが制限されてしまうので少しでも良いので投げるのをオススメします。

私は一度のキャストで全ての誘いをミックスしてその日のアタリパターンを探しますが、はじめはズル引きからで良いと思います。これに喰わなかったら3つのパターンをスピードを変えて試して行く。この状況判断が一番難しいところです。

 

例)入れ喰いの時は引ったくりのアタリとなり掛からないことも多いので、抜き気味にして待つ

例)潮が動いておらず止めても喰わない時は小突き→ズル引き→止め(秒数変える)など

 

動かすスピードの判断基準としてわかりやすいのは、1匹のシロギスに2本、針を呑まれていたら誘いが遅すぎるためスピードアップすること。

シロギス釣りはアタリが多いので数をこなしてアタリを出し自分の誘いを確立することが大事です。

 

【アワセの考え方】

途中でバレてしまう人はアワセが出来ていないことが殆どです。口が柔らかい魚ですが、スイープに一定距離はあわせる必要があると考えています。

誘いによりアワセ方は変わります。

止めと動きのどちらで魚が喰ってくるかを理解し、どう針がかりさせるか。

一つ言えるのはプルプルきているのはアタリの中でも掛けられる可能性が低い、望んではいけないアタリです。このアタリを捨てるつもりで他のアタリを出すようにしていれば自ずと掛けアタリがわかるようになっていくはずです。

 

シロギス釣りの入り口は以上です。

あとは船の進み方による仕掛け操作、手返し向上、ダブル狙い、ファーストフォールでのアタリをとる等々、サブテーマはまだありますが私が考えるシロギス釣りの本質は以上です。

私の場合は4回目で束超え、10回めで2束超え、15回目で3束超えでした。急激に釣れる数が増えるのもシロギス釣りは1回の情報量が多く、上達しやすい釣りだからです。

ちなみにこの文章全般にわたって言えることですが5月~7月の盛期にしか行っていないので他のシーズンに当てはまるかはわかりません。また1本竿の釣りしかしていないため、2本竿での釣りを行って得られる知見は得ていません。

 

■最後に釣った魚について

人それぞれでよいことを承知であえて書きますが、

リリースを推奨します。

上手くなっていくと食味より釣趣が釣りの目的になります。釣趣が目的になった人は呑まれた魚のみキープするのが良いと思います。その代わりリリースした魚はカウンターで数えること。

恐らく数を誤魔化す人間がいるということで釣果写真を撮っている船宿が多いのでしょうがあれは悪習であると思っています。釣り上げてニコッでいいと思う。

360匹釣った時はウソだと思われるのを防ぐ為に慣習に従いある程度持ち帰ったが、そのようなことをしなくてもよい釣り物になってほしい。釣趣が食味より優先されるキープの考え方になってほしいと思います。